
今回は急変時に重要なABCDのAとBを司っている呼吸器です。
ただ救急系はすでにありますので、それ以外のものの紹介です。
肺炎や喘息、COPD、間質性肺炎と日常で出会うことの多い疾患たちです。
しっかりと学びましょう!
『レジデントのための呼吸器診療最適解』
おすすめ本としてもこれが最適解です!
と言いたいぐらいの良本です笑
『レジデントのための』はシリーズ化されてますが、診療科によって著者が違うため(当たり前ですが…)本のデキに結構差があるシリーズだと思ってます。
そのシリーズの中でもこの本は傑作ではないでしょうか。
特に初期研修医でローテートしている先生〜呼吸器を専門にしない内科専攻医あたりがドンピシャの対象です。
著者の中島先生は亀田総合病院のベストティーチャー賞を受賞されているみたいです。
教育熱心な先生なんでしょう。それは本の内容からも伺えます。
他の教育熱心な先生が書かれた良本に共通しているのですが、対象としている読者がどのあたりまでを通常知っているのかを把握されてますね。
教育に携わっている分、対象者がどこによく躓くのか、何を疑問に思っているのかをよく知っています。
本書もそれが最大限に生かされてます。
読んでいてスムーズに理解できますし、無駄に難しいことにまで触れていません。
症例ベースなのも診療をイメージしやすいです。
扱っているものも症候から感染症、閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、肺がんと全て揃っています。
文句を言えるような立場ではありませんが、文句なしの著書です。
『Dr.下田の呼吸器内科無双』
こちらは気になっているものの、まだ読めていないので参考程度に紹介です。
手技の記載や扱っている疾患などから、対象は『レジデントのための呼吸器診療最適解』とよりは内科専攻医を念頭に置いていると思います。
初期研修などでしっかりと学ばれた先生にとっては『レジデントのための呼吸器診療最適解』は簡単かと思うので、呼吸器内科を最初から検討している先生にはこちらが最適解となるのかな?


『ポケット呼吸器診療』
マニュアル本で、毎年改訂されてます。
下記の『喘息バイブル』と著者は同じ倉原優先生です。
マニュアル本の中には『レジデントのための感染症診療マニュアル』のようなもはや “マニュアル” なのかわからないものもありますが、この本はその名の通り本当にマニュアルです。
が、手にとってもらうとわかりますが特に文章の羅列という印象はなく、読みやすいです。
僕は呼吸器内科ではないので、一口メモを読んでいると結構雑学?を仕入れているようで楽しいです笑
毎年改定していますが、どこが改訂したかわかるようになってます。
『レジデントのための呼吸器診療最適解』よりも実践よりですね。
呼吸器内科専攻医は結構持っている印象です。
マニュアルで実践的でかつ読みやすい。そしてかつ安い!
売れているのもわかりますね笑
悩むぐらいなら購入してみては?


『喘息バイブル』
結構分厚いですが、喘息のみの本です。
呼吸器内科医でなければ、呼吸器診療は肺炎などの感染症と喘息などの治療がメインとなるでしょう。
僕も喘息は内科医としてなあなあで治療するのではなくある程度の根拠を持って診療したく(他の疾患もそうなのですが…)、いくつか喘息の本を購入したのですが、この本が一番読みやすく得るものが多かったです。
上記の『ポケット呼吸器診療』も読みやすいんですが、何でですかね?
著者や教育熱心だから?単著だから?
単著でも読みにくい本もあるのでおそらく前者ですかね。
咳喘息や高齢者特有の話も出てきます。
生理や病態生理の話もあったりします。僕は流石に覚えきれないので流し読みしかしてないですが笑
なので呼吸器内科の先生でも学ぶことはあるんじゃないでしょうか。
救急でも出会しますし、内科医であれば喘息診療は必須ですので是非!
願わくば、COPDと間質性肺炎バージョンも出版してくれないかな…

